13

やるせない。

君からいつしか聞くようになった言葉だ。

俺も昔、よく使っていた。

その時々で"今"の自分の心情は、正にやるせないなと思っていたから。

それが何故使う頻度が減ったのだろうと考えた。やるせない程の状況ではないからだろうか。

もしくは、"やるせない"に到達して諦めたくはないという意地かもしれない。こっちの方がしっくりくる。本当にもうどうにもこうにも思いを晴らす手段も場所もないのだろうかと、寸前のところでもがいていたい。やるせないに帰結してしまえば、その先はないに等しい。

 

今、ほぼほぼやるせない。

悩んだ末、やつあたりのようにこの居場所に気持ちを遺しておく。直接伝える勇気と意義を失くしているので、苦し紛れに記す。

 

君からの好意が、いよいよわからなくなっている。実りかけた異性としてのそれはとうに朽ちてしまったことは知っている。

もっと根本的なところで、君の中で俺の価値はどれほどのものになってしまったのだろうか。

日々が忙しすぎて。存在が遠すぎて。悲しみが大きすぎて多すぎて。目指すべき将来に一直線に進むしかないから---どうしようもない。

そのどうしようもなさに俺もまたどうしようもできなくて、苦渋の日々を過ごしてきた。

 

希望を持つことは勇気がいる。期待を抱くことで負うリスクを君は血が滲むほどに知っている。

それでも。1か10しか選べなくても。人は簡単に割り切れない。黒と白の間にある無数の色にどうしてもにじんでしまうものだろう。その瞬間は予期せぬタイミングでやってくるもので、どれほど警戒をしていてもなす術なく君は傷ついてしまう。

 

不満があるか?山ほどあるよ。

あれもこれも、ではない。丘も崖も、山脈を持たない一つの大きな山がある。

最低限のコミュニケーションをとってほしい。

うんざりさせるほど君にぶつけては謝罪と反省を繰り返してきた不満だ。

手紙が嬉しかった。俺の言葉に感動して書いてくれたことも嬉しかった。充分だったはずなのに、どうしてこうも心はやりきれないのか。

俺は俺でたくさん諦めた。君の生だけを願っている。そう決めた。ささいな揺らぎでプレートはずれていく。反発は起きず、蓄積されていく。

 

連絡の頻度の問題ではない。なんだか、心底君の態度や発言を雑に感じてしまった。俺のせいなのだろう。そもそも、俺が雑だったのだろう。不満を与えてしまったから、萎えさせた。じゃあ、どうすれば正解だったのか。愚かにもわからない。そもそもが手遅れで答えはないのかもしれない。

『心のない優しさは敗北に似てる』

ふと脳内でよぎるこの詩に共感したくはないのに、自分を疑うことが増えた。

だってさ、おつかれさまって。えらいねって。すごいねって。かわいいよって。

心底思っているよ。けれども、伝わっているのか全然わからない。コンマ1秒でも1ミクロンでも、君は救われているのか癒されているのか。自信がない。現状のままに君へかける優しさ、そのものの意義を失いかけている。

 

俺の心配や労いは、君にとって他人事にしか写らなくなってしまったのかなと思う。実際に何かしてあげれているわけではないのだし。だとすれば俺の言葉は安っぽく届き、響くものは少ないだろう。本音を書き殴らなければ、有無を言わさない行動で示さなければ、今の君に俺は優しくできないのだろうか。

 

見えているものは変わらない。今の俺は他の全てに目を瞑り、君のそばに行くことが唯一の目標である。その先に期待も不安もない。

俺は自分に嘘をついているのだろうか。今君に見えている道はあまりにもまっすぐで狭い。そこから俺は消えかかっていると会って尚更に実感してしまった。その結果、自分の価値に疑問を抱いている。これは俺は俺を大切にしているということになるのだろうか。

 

君が銀杏の何かを理解して俺の何かを諦めたその日から、俺は君が怖い。

何を言うにも自信がない。理解に足る反応が返ってくることが少ないから、何を考えているのかどう伝わっているのかわからない。

君は君について話してくれることが少なくなった。意味がないから。言いたくないから。そのくせ、気まぐれに、中身は見せずに食べ終わった残骸の殻を見せてくれる。何が入っていたのか俺はわからないし無理に聞くこともできない。灰色の気分のままに、君の胃をこじ開ける手段を思いつくこともあるがとてもじゃないが実行には移せない。

 

俺は今、君と出会ってから一番関係が希薄になっているのではないかとさえ思う。全く話していなかった時よりもずっと。今の俺たちこそが、もっともっと、腹を割って会話を交わさなければならない気がしている。そんな暇が君にはないし、望まないだろう。そして、俺はこんな駄文を連ねている。

 

どこかでささいな何かを間違えたのだろうか。それは数え切れないほどだろう。重要なのはその追求ではなく、今一度揺るぎない自我を取り戻すこと。俺が俺のために、俺だけの力で。

 

好意と書いたが、表現がいささか似つかわしくない。尊敬と言い換えよう。

君が最後に俺の主張を、考え方を、素直に受け取って刺激にしてくれたのはいつだ?

もう大分昔になってしまったのだろうと思っている。だから自信がない。

勿論"彼"とは違う意味で、君が今の俺のどこを尊敬してくれているというのか。大抵のことは聞き流されてしまう。それは今に始まったことではないしむしろ君の愛嬌の一つで好ましく思っているけども、そうではなく、そもそも一人の人間として、今もちゃんと俺を立てて目を向けてくれる視線があるのだろうか。でなければ、君にとって俺が俺でなければならない理由は人恋しさを埋められ得る肉体と環境、そして言葉通り腐れ縁故に面倒くささがないということだ。

君という人間を周りよりもよく知っていて、近くに居れさえすればいい。面倒くさくないし、孤独を紛らわせるから。

 

それでいい。いいよ。俺しかできないから。

その上で、お互いを少しでも大切に想いたい。君から貰った刺激と愛を願わくば捨てないままでいたい。なんでもいい。話がしたい。

言葉を投げつけるのではない。話がしたい。

 

本当ならば頭はからっぽのままに君を抱きしめたい。君を感じたいし、悦ばせたい。君が何をしでかそうと俺の目を見つめて微笑んでくれるならば為すがままにどろどろの快楽に溺れたい。明日を気にせず眠りこけたい。

もはや叶わぬ夢だろうかと思う。それはそれでいい。俺は、話ができればそれでいい。

そのために早く此処を離れなければならない。

 

半生を振り替えることが増えた。数少ない絶対的な後悔に加えて、後悔ではなかった選択も形を変えて俺を嘲笑う。恐らく、それほど未来に目を向けざるを得ない段階にたどり着き、いざ顔を上げると視界はボヤけているのでうまく前に進めない。そんな人間にどうやって期待を愛を持てるのか。不思議で仕方がなかった。否、君は盲目であり勘違いに過ぎなかったのか。それが当然と思う。なんとも滑稽だ。馬鹿らしい。悲観的ではない。至極全うな見解だ。そんなもんくそ食らえが俺であり君だった。どうなんだ。

 

信じているよ。誰に何を言われようと君は君のままだって。え、じゃあ君ってなに?俺が信じている君は誰なの?

一つだけ魂を込めて言える。

天文学的確率であり得ない程に、君は俺の核の色を言い当てた。俺の哲学や趣向、その他全てが理解されなくとも、俺が俺でも自覚できないど真ん中の心理を貫いた。うまく言えない。人はこの世で親から貰う名前以前の、永久的に不変な真実のの名前があるという。その名前を言い当てられたとでもいうのか。心が震えた。全身が痺れてどうしようもなく涙した。あの瞬間は、ヒロト清志郎、そしてあなたによってもたらされた。

だから僕は問答無用であなたを愛しています。どうしようもないんです。

誰にも理解できないだろう。親にも友達にも。それでいい。

あなたを知りたい。話がしたい。

 

nico.ms

 

 

 

12

どうしようもない夜

 

せめて、声がききたい

 

一瞬の安心が欲しい


純粋に、耐えがたい

 

おこがましいなと思う

 

どれだけ苦しんできたのだろう

 

わかるはずもないのに

 

残酷に手を伸ばし続けて


思い返すほどに、培ってきた関係性やそこから生まれた自信は雲がかって見えてくる

 

手遅れでも、次の便はない

 

視界から小さくなっていく汽車を目指して走るしかない


そのうち、次の駅に止まるだろう


信じて、走るしかない

 

立ち止まっても、轢き殺される心配はない

 

ただ、線路の上で、野垂れ死ぬだけだ

 

今日は、心底疲れた

 

帰りがけに目にした墓の前に建てられていた地蔵に、説明文を流し読みし、賽銭箱に気まぐれに小銭を入れた

 

よく知りませんけど、あなたが大変敬われて造られ今日を迎えていることはわかります

この土地をあたたかく見守り続けて下さりますように

通りすがりの者より

 

周りの通行人が目に入りそそくさと立ち去ろうした瞬間、軽く鳥肌が立ち、ふわっと身体が軽くなった気がした

 

気のせいだったのだろうか

気のせいだろう

 

こんなのおかしいね

 

野暮なことは言いたくない

 

臆病だから

 

絶望(笑)


靖子ちゃんに少しだけ救われた

 

君を想い、今宵射精

11

思いは言葉に。


このサイトのページにそう書いてあった。

心底そう思う。ツイッターを始めた頃からだろうか、俺はどれだけの思いを形にせぬまま捨ててきたのだろう。インターネットの時代の流れに身を任せた故の結果、と言えば言い訳にしか過ぎないなとも思う。言葉を残すのは大事なことだ。自分にとって。伝えたいという気持ちを尊べ。


モヤモヤを赤裸々に、ありのままに言葉にしよう。自分の言葉で。読み手は無視して。


美大生に馬鹿にされるような音楽を演ってきたと胸を張って彼は言う。

俺は胸を張って、そんな奴の音楽を好きだと主張できない。

大前提として、好きという言葉に内包できぬ。奴の音楽から与えられた想いは、もっと複雑で、汚い。好きという言葉ではどうもしっくりこない。呪いなんだ。恥ずかしいわけではない、と思う。


中2の夏にブルーハーツに出会って、人生が変わった。俺の人間が変わった。全ての原点であり、胸を張って好きだと言える。宝物だ。


高1になって、この好きを広げたいと思った。まだ見ぬ世界に飛び込みたかった。巨大なプレゼント袋の中から、一つ素敵な宝物を取り出して、感銘を受けて、まだまだたくさんの宝物が袋の中には眠っているのだろうと、期待に胸を躍らせて、手さぐりを始めたんだ。

そしてすぐに出会ったのがゴイステだった。夢中で聴いた。少し前の世代で流行った青春パンクという音楽にハマった。ガガガSPや、スタンスパンクスサンボマスターを聴いた。


銀杏BOYZで狂ってしまった。俺の甘っちょろい苦悩、煩悩…価値観、感性の全てを、丸ごと引っ張り出されて、ドブに捨てられて、ドロドロに汚されてからまた身体の中に強引に捻じ込まれたような、そんな衝撃だった。


ゴイステの人達の今やってるバンド、その程度の認識だった。音が、クソでかかった。まず、それが衝撃だった。楽器の音量がデカすぎて、何歌ってんのかよくわからん。なんて汚い声だ。本当に同じ人なのか?めちゃくちゃだ。耳が、頭がおかしくなりそうだった。


涙が溢れた。今も溢れた。何故だろう。全然あったかくない。ロックンロールじゃない。すごく苦しかった。死にたくないのに飛び降りたかった。よくわからない衝動が俺を支配した。ひたすらに叫びたかった。負の感情、だったと思う。全然自分のためにならなくて、でも何より生々しくて、こんなもん気づかない方が幸せで、手遅れで、どう足掻いてももう無視できなくて、それでもまだマシだった、今思えば。歳をとるごとに、じわじわと、侵食されていった。傷口は拡がり続けた。気を抜いた頃に蘇る。一瞬で駄目になる。そんな自分を愛してしまっていた。そうされていた。俺のせいじゃない。奴が悪い。殺したかった。そう思う自分もどんどん嫌いになった。


初めてライブを見た。スキー場での野外フェスだった。リハで骨折したと、奴は松葉杖で登場した。そんなナリで暴れに暴れて、ドラムセットに突っ込んだりしてて、遠目に見ていたが、圧倒された。同時に感動した。何故だろう。この時は、ひたすらに尊い存在に見えた。感謝しかなかった。


震災にかこつけて東北ツアーが始まった。何とかチケットを入手して、仙台まで観に行った。狭い箱だった。満員電車がクラッシュしたような、もの凄い熱量でファンが交錯していた。俺もその熱に呑まれた。というより、最高の条件下で、奴への想いが、吐き出せた。目を血走らせて、奴に罵詈雑言をぶつけていた。手にナイフを持っていたならば、迷いなくズタズタに刺し殺してしまいそうな勢いで、揉みくちゃになりながら、叫んだ。実際に叫んでいたし、全身で、俺で、叫んだ。涙と鼻水と汗でぐしゃぐしゃになりながら、1mmでも近づこうと手を伸ばし続けた。あのライブが忘れられない。彼等もまた、血みどろな時代だった。実際に流血していたし、魂が血しぶきをあげていた。限界をとうに超えて、音を出して、生を性をぶつけられた。実感があった。頭を真っ白にして、過呼吸になりながら、快楽のためではなく、本能で、生存競争に生き残るためのセックスをしているような、そんなものがあれば、多分そんなような、ライブだった。


俺が銀杏に魅せられた全てがそこにあった。どうしようもなく生々しくも強烈な人間という種のフェロモンを感じた。共食いである。


しかし。もう、彼等はいない。奴は、変わった。落ち着いた。踏み外して底抜けた地獄から這い上がった。元来彼が持っていた、お茶目でキュートで、ロマンチストで、メルヘンチックな人柄と、音楽と恋への純粋なキラキラとした想いと、どす黒くもまっすぐな愛情だけが残った。幸せなんだと思う。否、ずっとそうだったとも思う。でも、どうしようもなさが消えてしまった。


かくして、ちょっとDTをメンヘラをこじらせていただけの少年少女は、銀杏と出会い、自覚なき本能を呼び覚まし、歪み、呪われ、彼の音楽に触れる度にその本能が、記憶が内から引きずりだされるようになってしまった。少年少女は未だに救われず、向き合うことを諦めたり、他の道を見つけたり、呪われたまま大人になっている。


そんな人達だけが真の銀杏好き、等というつもりは毛頭ない。事実として、そういう層がいて、もう、あの頃の銀杏を求めるべきではないし、じゃあ、どこに吐き出せばいいんだよ。ずるいよ。自分で発信するしかないんだよ。もう、銀杏のライブは吐き出す場所ではないんだよ。純粋に、彼等の音楽を享受する場所なんだよ。生きてて良かったとか、楽しかったとか、良い演奏だったって、ライブだったって、プラスの感情を生み出す場所なんだよ。わかっているのに、どこかで期待してしまうから、ずぶずぶと尾を引いて、頃合いをつけた頃に、またライブ会場に足を運んでしまう。呪いは解けない。


ちゃんと歌うようになった。メンバー変わって演奏上手くなった。丁寧にライブをするようになった。客への感謝が伝わる。いらねえ。求めてない。でも、それでも、純粋に銀杏の音楽を好きなのも勿論あるから、そのために行くよ。9割の本音であり建前で行くよ。

昔の曲やって、盛り上がって、あの頃に戻ったって?いいなあ、過去にできてんだよ。ちゃんと現在を生きてる証だよ。


靖子ちゃんも同じ穴のムジナだったと思う。彼女は呪いを、自分の形にして、吐き出したんだ。発信したんだ。だから、胸を張って生きてる。それでも呪いは消えない。消えなくとも、毎日向き合ってる。逃げずに、戦っている。大事なものもちゃんと視えている。

尊敬する。素敵だ。美しい。力強い。奴と違って、とても優しい人だ。ちゃんと一人一人を見てくれてる。同情じゃない。目を見て、聞いてくれるんだ。だから、呪いなんかかけられない。奴以上の力強さで、生々しくも、あたたかい。


奴の頭の中はいつだって、一人の女の子のことなんだ。それだけなんだ。同族嫌悪にも似ている。

なんて身勝手だ。清々しい。どこぞの誰の世界も変えたいなんて、思っている筈ない。ただ、あのコの世界を変えたいんだ。

男は大体そうだ。俺だってそうだ。だから、聴いてても、歌っても、浮かぶのは一人の女の子のことなんだ。好きだよって思う。

それすらもぶち壊す、純粋無垢な音楽への愛があるから、ロックンロールは最高なんだ。


好きだよ。ごめんね。

好きだよ。どうしようもなく。

大事すぎて。正しくは、失いたくなくて。


俺は俺を表現したいのか近頃よくわからなくなってきてしまった。

衝動が薄れている。気がする。仕方ないのかな。

どうしよう。参った。

呪いも、解けてきているのかもしれない。


それでも、涙が溢れたのは何故だろう。

ほんの少し、安心してしまった。


君の世界を変えたい。



10

また君が遠くにいってしまう夢を見た。

君の声が聞こえなくて、通知画面を見ても君の名前はなくて、絶望する。

二度寝をしても君の夢を見る。

いいかんじにどうでもよくなってきたし頭痛が怖いので現実逃避をやめる。

コンタクトをつけたまま寝ると目ヤニやべーし視界がバグる。

火傷が痛い。

帰宅してからと寝起きは、うがいをする。

身体がオレンジジュースを求めている。

金がなけりゃな。働かないとな。部屋汚ーな。あれもこれもしないとな。

わかってるよわかってるよわかってるよ?わかってるよ?わかってるよ?わかってるよ?ほんと?ほんとに?ほんとに?ほんとに?

崖っぷちで寝そべってる。

今日も自分の劣等感を刺激されにいく。

外でカチカチうるさいな。

中途半端な冬は嫌いだから雪積もって晴れてほしい。


9

信じないよ

君が変わったなんて信じない


俺が君に魅せられたものは、

どう足掻いても変わらないものだから

 

またどうかいつの日か会えますように

さよなら僕の大好きなうさぎちゃん

 

これからもずっと見守るよ

よろしく僕の大切なうさぎちゃん

 

恋慕は、殺そう

愛慕は、消えず

 

それできっと大丈夫

俺は俺を失わない、狂わない

 

君のために、死なない

 

安住の地は、ここだ

 

8

ふとしたことで、すぐに心は毒される

寝たり食べたり性的快感を得たり

生理的な欲を刺激することで毒は僅かに中和される

意識せずとも、時間の流れの中で少しずつ消化されることもある

即効性の毒けし薬を見つけたけれど、

近頃は手に入りにくくなってしまった

 

そして、消してもすぐにまた侵される

消しきれない毒のカスは着実に溜まり心を蝕む

 

 

今日はまた一段と厄介だ

気持ち悪い、吐きたいよ

此所に漏らす他に、吐く場所はない

所構わず無様に吐く気概はない

 

全てに目を瞑り、希望を殺し、心を空っぽにする

これは人間が持ち得る最終手段の自己防衛である

毒はなくなるが、栄養もない

干からびたそれはゾンビのようだ

 

 

悩める人は皆、矛盾した二律背反の渦に身を任せたり飲まれたりしている

好きだけど嫌い

したいけれどしたくない

わかっているけれどわからない

そのような渦も又、水や風のもたらす渦のように、

人間では太刀打ちの仕様がない強大な自然の力である

 

私は生者とゾンビを繰り返した奇跡の人である

ゾンビでありながら、無から自我を再び生み出した宇宙そのものである

それでももう二度と、ゾンビになり果てはしないだろう

恐らくどう足掻こうとも、細胞が枯渇を許さない

奴等は私の世界の地下深くに核シェルターを生み出し、万事に備えている

 

森羅万象に意味はない

意識の外に、意味はない

個々が存在意義を見出すのは勝手だが、

それまで、それは、ただそこに在ったという真実は揺るがない

意思なき相互作用である偶然の産物を否定するということは、

即ち神の肯定又は創造である

心が死ねばまた、それは、ただそこに在る状態に戻る

これが自然の常だ

 

 

 

今私が感じている毒は、私の知る最も質の悪い猛毒である

薬は、99の毒を洗い、1の猛毒を私に与える

もう二度と味わいたくはなかったが、

気休めでない薬の味もまた知ってしまった

だからゾンビにはもう戻れない

 

 

唯一の救いであり元凶は、

私が一生を捧げて追い求めている、ある快楽に囚われた

マゾヒスト故である

 

 

一度も陽の目を見ていない野望がある

この毒を形あるものに昇華させたい

その一心である

そしてそれは、他者の評価とは別の次元で、

私自身がオーガズムに達する境地のものでなければならない

 

私の心があるうちに、

私が私の観測する、私の意味を成しているうちにどうか

――――今生の 花咲き乱れ 吹き荒れん

 

 

そして

この願いは、

薬一つで、一瞬で塵と化す

投与中、世界は花に埋もれ

私の世界は完成している

ただ一つ問題は、

薬は生き物である

私に毒を与え治すを繰り返す

厄介であり魅惑的であり、甘美な薬である

願わくは、心身の無事を、厭世への抗いを

貴方の探しものが見つかることを信じている

 

 

この二律背反こそが、唯一無二の私の真情であり、

その渦の真っ只中で私はゆるりと横になりたいのである

5

 

僕の友人の作った大好きな唄です


*+ - YouTube

 

みんながこぞって聞いていた

あのヒップホップかぶれのお子様バンド

嫌われちゃうのが嫌だから

ちょっと真似してCD買っちゃった

 

だけどつまんねぇな

つまんねぇなったらありゃしねえ

何か良いことないかなと

私走って家を出た

 

南の島では銃声が

私の街には選挙カー

近々誰かが死ぬのだろう

はたまた誰かが殺すだろう

 

だけどつまんねぇな

つまんねぇなったらありゃしねえ

テレビの光がうっとうしい

なんだ今夜もおんなじか

 

神様がくれた 命はひとつね

先生がくれた 成績表みたい

 

麦茶をごくごく飲んでたら

なんか明日が来ないような気がした

 

まるで絶望ね 後悔ね

光にも似てる境界線

キラキラなんてしてないけど

私明日も生きてたい